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連載コラム 10年前

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第8回 全国大会の切符をかけた大一番

シリーズ:元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 text by 西村卓朗 photo by VONDS市原

監督経験の中でとても大きなゲーム

 延長戦に突入することとなり、次の交代選手は鈴木→西山。右サイドバックに西山を入れた。宮内はよく動けていたので前線に残し、右の石田を真ん中に持っていき、濱屋をボランチに上げ、左から道口、秋葉、濱屋、村山、小川、FWに宮内という形となった。

 最後の1枚の交代カードは本当に悩んだ。まず誰を変えるべきか? 小川か村山のどちらかだった。2人とも足をつりかけている。またどうにか攻めに行かないとならなかった。

 最終的には小川とFWの岩田を変え、2トップにした。

 相変わらず相手の怖いサイドは21番がいる自分達からみて右のエリアだったので、延長戦後半に思い切って、左利きの道口を右に持っていき、左に村山を持っていった。最終的にはこれが功を奏した。

 延長後半8分。左からクロスを村山があげ、相手のクリアの処理が小さくなったボールを道口が拾い、左足で中に切れ込み見事に決勝ゴールをあげた。

 この試合に関しては試合前からずっとKoreaに勝つ戦術を考え、試合中も細かな現象を拾い続けて、手を打ち続けた。決断を間違えた場面もあり、同点に追いつかれたが、それでもそこから修正し、勝つ方法を模索して、決断し続けた。

 この試合は今年自分がした監督経験の中でもとても大きなゲームのひとつだった。予選を突破するためにあと一つの勝利というところまでついにやってきた。

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