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本田圭佑 10年前

怒りでロッカーへ直行、本田の態度に伊記者が苦言。セードルフ監督は巧みなマネジメントで非難集中を防ぐ

text by 編集部 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「ロッカールームに行ったとしても問題はなかった」

「チームのメンタル面や団結力は以前よりも向上して見える。こういうチームとの対戦ではなかなか美しい攻撃的なゲームはなかなかできない。ピッチに才能のある選手がいれば、結果がでる。チームには自信がある。チームに自信があれば、成長できる。ただし、多くのことを向上させなければならない」

 試合後の記者会見で勝利に満足そうな笑みを浮かべたセードルフ監督。メディアからは案の定、本田の交代後の態度に対する質問が出た。

「本田はピッチを下がった後、直接ロッカールームに行ってしまったのはなぜか?」という問いにこう語った。

「結局ベンチに戻って来た。お互い握手したし、本田もチームの勝利を喜んでいたよ。彼は落ち着いていた。ロッカールームに行ったとしても問題はなかった」

 現役時代超一流の選手だったセードルフは懐の深さを見せた。寛容さに溢れた絶妙な回答でマンマネジメントにおいて優れた資質を、記者会見室で発露させていた。

 指揮官が公にかばったことで、試合翌日以降も問題視されるかどうかは分からないが、ピッチ上で結果をなかなか出せない現在、本田はプレー面以外での批判を集めないようにすることも、格式高い赤と黒の名門で生きていくには大事なことだろう。

【了】

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