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試合巧者だったアトレティコ。セードルフ体制で最高の試合で、ミランはなぜ敗れたのか?

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

課題は連携面。簡単にはいかない2ndレグ

 シメオネ監督もまた、的確な交代策でチームを助ける。不安のあったサイドにはMFを相次いで投入し、中盤の厚い4-5-1へと修正する。再びプレスが良く掛かるようになったアトレティコ・マドリーは、相手から次々とミスパスを誘い、CKやFKでチャンスを稼いでいった。

 そしてバロテッリが負傷交代した直後の後半38分、決勝点をものにする。左CKをファーポストに構えていたアバーテがヘッドでクリアするが、これが逆のポストの方に飛んでしまう。

 よりによって、そこでフリーになっていたのがジエゴ・コスタ。今季のミランはセットプレーの守備も不安定だったが、ボロが最悪の場面で出てしまったということだろう。

 まだ第2レグが残っている。「僕はポジティブに考えている。まだやれる」と語ったカカなどの言葉に代表される通り、選手たちは内容から手応えを得ている。しかし彼らが勝つためには、アトレティコのホーム、ビセンテ・カルデロンで相手よりも1ゴール多く奪わなければならない。

 フィニッシュまで組み立てられなかったチャンスもこの試合では多かったが、そういった連係不足を解消し、攻撃の完成度を高めることが次の試合までに求められる。

【了】

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