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連載コラム 10年前

W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール。優勝しても批判、セレソンを左右する“フッチボウ・アルチ”の文化(その2)

シリーズ:W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール text by 田崎健太 photo by Getty Images , Sachiyuki Nishiyama

選手を思うように招集できない中で強いチームをつくるには…

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70年W杯に向けたブラジル代表は本当に強かった【写真:Getty Images】

 そして、70年W杯ブラジル代表の詳細について訊ねることにした。

「まず、今の状況と比べると違うことが二つある。まず、かつては選手がチームに縛られていたのでブラジルの優秀な選手は国内リーグにいた。その意味ではいい選手を監督たちが見極めるのは容易だった。

 今は世界中に選手が散らばっているからね。ただ、かつてはAマッチデーのようなものがなかった。クラブの意向が強く、思ったように選手を招集することができなかった。当時、セレソンの監督だったジョアン・サウダーニャは非常に頭のいい男だった。

 そこで彼が考えたのは、70年W杯の南米予選に向けて、世界最高のチーム、サントスFCを中心に代表を組織することだったんだ。ペレやぼくなどサントスFCの6人の選手をチームのベースとして、残り5人の選手を他のクラブから集めた。

 このセレソンは本当に強かった。南米予選を全勝、引き分けもなかった。そして翌年、新しい選手が加わって、さらにチームの完成度は上がったんだ」

 しかし、大会直前、不可解な「出来事」がセレソンに起こった――。

【次週に続く】

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