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長友佑都 10年前

長友の判断も裏目に、監督もサジ投げた不運。インテルに何が足りないのか?

ホームでのボローニャ戦をドローで終えたインテル。内容では圧倒しながらも不運な形での失点が続き、PKも失敗。何か見放されているようだ。一体、何が足りないのだろうか。

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

内容では圧倒。戦術も変化させているが…

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ワルテル・マッツァーリ監督【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

「仕方ない。今年はこういう年だ」

 今シーズン、マッツァーリ監督はこの言葉を多用している。最終的に2-2でドローに終わったボローニャ戦後、長友も同じ認識でいたのが印象的だった。

「準備は凄くしているし、言ったら去年以上にやっているし。まあもう正直今年はこういう年なのだなと、そう割り切らないと何かもう……」

 それだけのことを彼らがしているのは、試合内容から伝わる。勝ち星から見放されている最近の試合も、ポゼッション率もシュート数常に相手を上回っている。

 その間、戦術だって変えている。ウディネーゼ戦の特に前半、固めたディフェンスを崩せずにチームは批判を浴びた。「戦術志向を弱め、より大胆に攻撃する事を考えるべきかもしれない」。マッツァーリ監督はそう考えて、リボルノ戦からパラシオ、イカルディにアルバレスを加えた3?4?3で仕掛けようとした。

 露骨に守備を固め、カウンターに的を絞る相手との闘いを強いられるイタリアでは、英プレミアリーグのクラブのように攻撃に多くの人数を割くのは勇気がいる。しかしマッツァーリはそのバランスをあえて崩し、その結果リボルノ戦では前半で流れから2点をもぎ取った。その流れはボローニャ戦でも引き継がれ、先発に復帰した長友も攻撃面での期待に応えたのだ。

 前半6分、左ウイングとして開いたパラシオからパスを受け、左のスペースへ侵入。だがここにはガリクスが素早くマークに付き、左足でのクロスのコースを消してくる。するとここで長友は、鋭く右へとボールを流してプレーディスタンスを確保。そしてエリア内にいるイカルディの姿を確認し、右足でクロスを放った。イカルディはこれを左足で合わせ、先制ゴールを決めた。

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