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セリエA 10年前

ミラン本田出場の鍵握るのはインテル長友。サイドで押し込み“10”を引きずり出す展開に持ち込めるか?

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

長友がサイドで優位に立てば、本田の出番も…

 直前の故障でもない限りは3-5-2の左WBとして出場濃厚の彼には、ポーリ並びに右SBのデ・シリオが立ちはだかることになるだろう。システムは違えど、ちょうど前半戦のダービーと同じ並びになる。

 その試合でポーリは前から積極的にプレスを掛けてきており、長友も前半は慎重な試合運びを強いられる。しかし「90分間は絶対に持たない。自分たちの時間帯は来る」と考えていた彼は、後半にギアを上げた。そして「確実に彼よりも走れる自信はあった」と、対面のデ・シリオを猛烈なオーバーラップで押し込んでいる。

 右にターラブを回してくる場合には別かもしれないが、長友はミランのSB陣の攻略に対して自信を持っている。ダービー不敗にはそれなりの根拠があったのである。

 これに対して本田がどう立ちはだかるのか興味があったのだが、現在の状況ではベンチスタート濃厚。

 自身にも去就が騒がれる身だが、「チームからは確約を受けている。私には2年間の契約がある」と語った。第三者的には長友が対面のサイドを押し込んでインテルがリードし、本田を引きずり出すような展開になれば面白いのだが…。

 なお日本人ダービーの他にも、今回のダービーは色々な思いが絡みそうである。インテルでは2009-10シーズン三冠の立役者であるサネッティにミリート、サムエルにとっては最後のダービーとなることが濃厚。

 この1年間主将として辛酸をなめたモントリーボは「誇りを取り戻すためのダービー」と語る。そして解任論が叫ばれているセードルフ監督は「私は確約をすでに貰っている。契約はあと2年ある」と余裕の構えで試合に臨もうとしている。

 両チームは過渡期の中にあり、国内でもローマやナポリに強豪の座を譲ってしまった感もあるが、ダービーではハイレベルな試合を見せて欲しいものである。

【了】

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