「バナナを食べてしまう」のはマーケティング会社の仕掛けだった
4月27日に行われたビジャレアル対バルセロナ戦。コーナーキックに向かうダニエウ・アウベスに対して、観客席からバナナが投げ込まれた。まぎれもない人種差別的行為に、アウベスは実にユニークな対抗策を見せた。なんとピッチ上に落ちたバナナを拾い上げ、皮をむいてそのまま口に放り込んで食べてしまったのだ。
何事もなかったかのようにプレーに戻り、アウベスはすぐさまコーナーキックに移る。これを受けてブラジル人チームメイトのネイマールも続けざまにアクションを起こす。試合後、息子と一緒にバナナを食べる写真をソーシャルメディア上で投稿。これがリーグや国籍を超えて瞬く間に拡散される。
ネイマールに続けとばかりに、セルヒオ・アグエロ、ダビド・ルイス、マリオ・バロテッリといった選手が、バナナを食べるポーズを次々と投稿し、グローバルレベルの大きな反響を呼んだ。この世界中のサッカーファンを席巻したムーブメント、実はブラジルのマーケティング会社が仕掛けたキャンペーンだった。
仕掛け人となったのは、ブラジル市場における大手企業のマーケティングを手掛けるロドゥッカ社だ。顧客リストには、MTVやレッドブル、デロイトといったグローバル企業が軒並み名を連ねる。日本企業との強固なパイプも持ち合わせており、日清食品やYAMAHA等、業種を超えたクライアントを抱えている。