パスサッカーこそがガンバらしさだったが…
今季は東口順昭や米倉恒貴に加えて、リンスら要所に好選手を加えたガンバ大阪だったものの、宇佐美の離脱は想定外だった。前線とサイドアタッカーをこなすリンスの獲得も宇佐美の得点力を活かすチャンスメイカーとしての位置づけだ。
宇佐美という希代のフィニッシャーと組んでこそ機能する「FW遠藤」も開幕から機能する気配はなく、やはり背番号7の本職はボランチである。
6節を終えた段階で無得点試合は4試合。ベガルタ仙台戦ではシュート1本に終わるなど開幕直後は決定機さえ作り出せなかったチームは「少しずつ良い形でゴールに向かえるようになってきたし、パス回しでも相手ゴールに迫れるようになってきた」(遠藤)。その言葉が決して強がりではないことは横浜F・マリノス戦のチャンスの多さを見ても明らかだ。
ただ、チームは明らかな分岐点を迎えつつある。長年、パスサッカーを標榜してきたチームではあるが、もはや圧倒的に主導権を握りながら押し込むスタイルは過去のもの。
全盛期を知る明神智和も「どうしても周囲からは圧倒的に支配されることを求められるけど、それは昔の話。もちろん理想としてそういうサッカーを追求はしているけど、今自分たちが出来るサッカーをしっかりとやることも大事」と語る。
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