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Jリーグ 10年前

【検証】移籍金ビジネス。代理人に聞く、Jクラブが選手の“売って”儲ける方法

text by 小澤一郎 photo by Kaz Photography , Shinya Tanaka , Asuka Kudo / Football Channel

フォルランのC大阪加入に肖像権ビジネスが絡んでいる可能性も

――選手のエコノミック・ライツを切り売りする南米的手法ですね?

「欧州にもありますよ。今、広州恒大にいるエウケソンというブラジル人FWは柏がずっとオファーを出していた選手です。獲得競争時にユベントスとセリエAの下位チームが合同で彼を獲りに来ていました。

 要するに、ユベントスが移籍金の半分を出すということです。名前は忘れましたがその下位チームが主導で獲得して、セリエAで使って活躍したときには、ユベントスがその選手を優先的に獲得できるようになるということです。

 欧州ではそういう獲り方をしているところが多いですよ。エコノミック・ライツについてはFIFAでも定義付けがされましたので、やってもいいわけです。ネイマールの移籍が典型例ですね」

――この手法は、今後日本でも主流になりそうですか?

「誰がやり始めるかでしょう。例えば、(選手が)自分の会社を作り、その会社とクラブの間で肖像権料を折半するというのはありえる話です。これは選手からすれば節税対策になります。クラブとしても、給料を上げない代わりにこれで払う(肖像権料を譲る)ということが一つあると思います。

 別に外国人に限らなくても、(クラブが行う取引としては)全く問題ありません。それ自体もFIFAで定義されているのでやって良いことです。

 日本の場合、強化部に強化予算というものが与えられていて、それだけでやろうとしますが、もしかすると肖像権や経済権は事業部の話でもあるかもしれません。

 これは推測ですが、フォルランも基本的にヤンマーのコマーシャルが半分入っていると思います。東南アジア市場の中での広告の権利であるイメージ・ライツ(肖像権)を獲った上で、ヤンマーが半分くらい出しているのではないかと私は見ています」

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