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日本代表 10年前

「ドイツ大会のときと似ている」。遠藤保仁が感じる危機感。ザンビア戦の重要性を強調

text by 元川悦子 photo by Getty Images

今のチームにある意識の高さ

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遠藤保仁【写真:Getty Images】

 加えて、彼には中立地初のベスト16入りした2010年南アフリカ大会の輝かしい実績もある。南アでの遠藤はドイツでの屈辱を晴らすかのように全試合にフル出場。チームナンバーワンの走行距離を記録し、デンマーク戦では勝利を決定づけるFKも決めた。その大会を一緒に戦った仲間たちが数多くいることも、本人も心強く感じているという。

「前回の悔しさを知っている選手が今も中心にいる。彼らには、もう1つもう2つ上まで行きたかったという気持ちが今もあると。今のチームは常に上を目指す気持ちを全員が持っているところが強みですし、W杯でホントに高い目標を掲げていて、ピッチ内で妥協しない。そこは今までのチームより高いレベルにある。

 選手個々を見てもより高いレベル、ビッグクラブでプレーしている選手も増えました。それも大きいですね」

 ザンビアは初戦の相手・コートジボワールと酷似したチームと言われている。アフリカ特有の身体能力の高さ、個の能力を前面に押し出して戦ってくると見られる。相手を勢いづかせると、劣勢に立たされる時間帯もあるかもしれない。それでも自分たちが主導権を握って勝ちに行く姿勢を持ち続けるつもりだ。

「引けばある程度は守れるとは思いますけど、自分たちがここまでやってきたのは、自陣に11人入って守備をすることじゃない。より高い位置でボールを奪いたいですけど、流れの中で引かなきゃいけない時もある。そこで失点しないことも非常に大切ですね。

 W杯ではゲーム運びが大事になってくる。一番は自分たちの時間帯にゴールを奪って、自分たちのゲームにしていくこと。それをやるのが僕らボランチの仕事でもあるので、しっかり支配できるようにしていきたい」

 遠藤自身が「集大成」と位置づける三度目の世界舞台は刻一刻と迫っている。残された準備期間は10日。キャプテン・長谷部誠が負傷で深刻な状況に陥っているだけに、この時期の重要性を誰よりもよく知るベテランによる、気持ちの引き締めに期待したい。

【了】

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