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【コートジボワール密着ルポ】意外に不便な豪華施設。ファンの数は日本キャンプ地の10分の1

日本時間15日のW杯初戦で日本と対戦するコートジボワール。彼らがベースキャンプとして利用する施設「オスカル・イン・エコ・リゾート」は、豪華リゾート施設ながら移動には山道を通過する必要がある。

text by 清水英斗 photo by Hideto Shimizu

豪華リゾート施設をベースキャンプとして利用

【コートジボワール密着ルポ】意外に不便な豪華施設。ファンの数は日本キャンプ地の10分の1
“アグアス”とはポルトガル語で水。「リンドイアの水」を意味する【写真:清水英斗】

 ブラジル・サンパウロ市内から、北へ約160キロメートル。路線バスに揺られ、約3時間の道のりを走ると、人口2万人弱の小さな町「アグアス・デ・リンドイア」が見えてきた。

“アグアス”とはポルトガル語で水。「リンドイアの水」を意味する、この山間の静かな保養地では、ブラジルW杯で日本代表と対戦するコートジボワールがキャンプを張っている。

“コートジボワール”は、フランス語で“象牙海岸”を意味する。15世紀にポルトガル、イギリス、オランダなどの貿易船がこの地を訪れ、奴隷や象牙の売買を行ったことから、この呼び名が付けられた。

 サッカーのコートジボワール代表は「エレファンツ」の愛称で親しまれている。西欧各国によるアフリカ分割で、この地はフランスの植民地となったため、今も政治的にはフランスとの結びつきが強い。

 彼らがベースキャンプとして利用する施設「オスカル・イン・エコ・リゾート」は、アグアス・デ・リンドイアの中心地から、さらに車で10分ほど山を登ったところにある。

 オスカルとは、この施設の経営者、JSLの日産自動車でプレーした元ブラジル代表、オスカル・ベルナルディ氏を指す。何面もあるサッカー場、テニスコート、プール、サウナ、レジャー施設など、この豪華リゾートにはあらゆる設備が整っている。

 日本代表もキャンプ地の候補として、このオスカル・インを見学していたそうだが、空港への距離が遠いことを理由に取り止めた。とはいえ、最終的にキャンプ地に選んだイトゥは、施設工事の遅れが問題になった。

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