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試合分析のプロに聞くコートジボワールの弱点。日本はどう攻略すべきか?

text by 浅川俊文 photo by Getty Images

裏のスペースには大きな穴。ボールに絡めないヤヤ・トゥーレ

――では、攻守の切り替えはどうでしょうか。

「攻守の切り替えはボールを奪ってから3秒以内の出来事なんですが、コートジボワールはゾーンで守って引いているので、奪ってもタテへ出られないんです。だから奪ってもパスは横パスか後ろが多い。くさびのボールを前へグッと当てて、ガッと出ていく、といったプレーがない。

 一方、ボールを奪われた時は、SBが高い位置にいるのでピンチになる。ベルギーがどうしたかということにも関わってくるんですが、SBが上がった裏を突くんですよ。CBがボールを入れてメルテンスが突く。

 そういうシーンが何回かありました。すぐにプレスをかけるという作業はまったくない。だからベルギーはボールを奪ったら前を向け、コートジボワールのSBが上がっているので、裏のスペースを突ける。特に右サイドですね」

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ドログバの投入で流れが変わったベルギー戦【写真:Getty Images】

――試合を通して、気になった選手はいますか?

「ヤヤ・トゥーレはもっとキーになる選手かなと思ったんですが、全然、ボールに絡めなかったし……」

――ドログバは後半からの出場でしたね。

「彼が出てきてからコートジボワールは2トップ気味になったんですよ。流れが変わりやすい要素でもあるので、選手交代やシステムの変更は分析時には常に見ますね」

――ドログバの投入で攻め方が変わりましたね。

「ドログバにボールを当てるようになりましたね。前半はほぼ1トップで、ジェルヴィーニョは裏に抜けていたんですが、後半になるとドログバめがけて強く蹴るパスが出てきた。日本がコートジボワールとやる時にドログバが出てきたら、そういうボールが入ってくる可能性があるんだなと準備しておけばいい。

 例えば、ドログバへのパスコースにMFの遠藤(保仁)が入っていればパスが通らない。そういう賢さは遠藤にはあるから、パスを遮るポジション取りをすると思いますけどね」

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