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Jリーグ 10年前

【ギリシャ戦プレビュー】いざ、ギリシャ。日本代表を取り巻く光景と支えるものに思うこと

text by 川端暁彦 photo by Getty Images

個人的オススメは“オランダ戦”

 6月20日の早朝、日本はギリシャとの決戦を迎える。黒星同士のサバイバルマッチ。通勤・通学の時間帯であるから、日本各地でちょっと微笑ましい光景が見られることだと思う。そうした基盤の上に、日本代表は立っている。

 どんな布陣なのだろう。

 長谷部誠はまた先発なのか?

 香川真司の状態は回復しているのか?

 今野泰幸の復活はあり得るのだろうか?

 ボランチの組み合わせは? ワントップはどうする?

 ギリシャ対策はあるのか? 長身のサマラス相手なら酒井宏樹のほうがいいのか?

 考えを巡らすこと自体の楽しさにホッとさせられる。どうやら私はまだ日本代表に真っ正面からの期待を持っているようだ。コートジボワール戦は確かに拙劣な試合だったけれども、現日本代表の力があの程度でないことは、ずっと観てきたのだからよく知っているつもりだ。このまま終わるようなヤツらでは、ないだろう。その確信はある。

 ここに来ての戦術的転舵はあるまい。人選のポイントは誰が先発かよりむしろ、「誰を残すのか」。大久保嘉人と遠藤保仁を残した第1戦から中4日。今度は別の一手を打つ可能性は高い。個人的オススメは、昨秋のオランダ戦で驚異的戦果を残した「遠藤、香川のダブルジョーカー」である。疲れた時間帯に入ってくる香川が、欧州の大男たちに“効く”のは証明済み。ギリシャに対してボールポゼッションで負けることは考えづらいので、焦らずに“後半勝負”に出られる余力を残しておけば、十分に勝機はあるはずだ。

 語りどころはいくらでもあるし、「語りたがる人」の絶対数がこれほど増えたという実感は、日本サッカーにとって最大の財産である。このタイミングであえて「俺は自分のクラブは愛しているが、代表には興味がねえ」なんて主張してくる人の存在も、むしろ頼もしい。

 先人によって築かれた日本サッカーの基盤が、一度の敗戦によって灰燼に帰すとは思っていない。ただ願わくは、この試合が初戦の屈辱を晴らして余りあるカタルシスをもたらし、そうした「人」がさらに増え、基盤がより強くなる契機となってもらえればと思う。それこそが、現在の日本代表が、今後も続いていく日本サッカーの歴史において、今まさに期待されている役割でもある。

【了】

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関連リンク

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