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スペイン、ウルグアイ、イタリアはなぜ敗れた? オランダ・コスタリカに見る番狂わせの法則

text by 内藤秀明 photo by Getty Images

守備の人数は多いが実はリスクも負っている

 オランダは、スペインを相手に5バックで戦い、ハイラインを保ちつつ、スペインの選手にほぼマンマーク気味で戦っていた。スペインの選手がポジションレスで動き回るが、オランダの選手は、ある程度気にせずスペインの選手についていき、自由にプレーをさせない。これは4バックでやるとやや危険だ。4人から1人抜け、3人で横幅全てを守るのは難しいからだ。

 しかし、5バックなら、1人マンマークで抜けようとも、4人残るから、ある程度怖くない。もし、うまく潰してカウンターの起点になれば儲けものという考え方だ。

 オランダはオーストラリア戦でスペイン戦のようにマンマークしていない。コスタリカの2試合も共通だ。ただし、相手の縦パスに対して、どんどんインターセプトを狙ったり、相手との距離を詰めるのを狙ったりするために最終ラインから抜けている。結局、程度の違いでしかなく、狙っている方向性は同じだ。

 ただ、これには、問題が二つある。一つは、ハイラインの状態で、2人や3人同時にDFラインから抜けてしまえば、最終ラインがバラバラになってしまう点だ。

 実際、両チーム共に、何度かそれが原因で裏を突かれ、危ないシーンもあったが、キーパーの奮闘と少しの運で事なきを得ている(正確に言うと、オランダは失点もしているが、それでも勝っている)。リスクなしで、格上に勝つことはできないので、これは負うべきリスクだ。ある程度仕方ない。

 もう一つが、前線の人数が足りないため、縦パスの当てどころがなく、押し込まれる可能性だ。こちらに関しては、「前線の個の力とサイドバックのフィード能力」で回避している

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