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スペイン、ウルグアイ、イタリアはなぜ敗れた? オランダ・コスタリカに見る番狂わせの法則

text by 内藤秀明 photo by Getty Images

キーワードは5バックとマンマーク

 そこで、何故これらのジャイアントキリングが起きたかを考えていく上で、オランダとコスタリカを比較すると大きな共通点あった。それは、「5バックとマンマーク」と「前線の個の力とウイングバックのクロス&フィード能力」である。

 まず、そもそも、この大会における5バック(3バック)の使用チームがやや多い。5バックを使っているのは、オランダ、コスタリカ、メキシコ、チリ、アルゼンチンの5チームだ。これらのチームは現在なんと、8勝1分、勝率89%で無敗だ。

 もちろん、オランダ、アルゼンチンは強豪だ。ただ、メキシコはブラジル相手に引き分けているし、チリは弱っていたとはいえスペインに勝っている。オランダやコスタリカの件は先に説明した通りだ。つまり、この大会では5バックがそもそも有効なのかもしれない。

(一応、補足しておくと、メキシコ、チリ、アルゼンチンは、オランダや、コスタリカと同じサッカーをしているわけではない)

 では、引いて守れば強いのかという疑問もあるが、それは違う。アルジェリアは、ベルギーを相手にウイングが自陣に引きこもり、ほとんど6バックで戦ったが、2-1で敗北した。それでは、ジャイアントキリングが起こせないのだ。ではどうすればいいか。大きなヒントがあるのは、オランダ対スペインの一戦だ。

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