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「バルサとスペインにありがとう」。バルサ黄金時代が生み出した栄光。傷に蓋したメディアの責任も合わせて当然の帰結

text by 山本美智子 photo by Getty Images

デル・ボスケ監督は2年後ユーロも続投濃厚で不安募る

「バルサとスペインにありがとう」。バルサ黄金時代が生み出した栄光。傷に蓋したメディアの責任も合わせて当然の帰結
サッカー協会は次のユーロまでデル・ボスケ続投を考えているようだ【写真:Getty Images】

 今回のW杯にビジャはベストコンディションで望めなかったにしても、それがジエゴ・コスタ以下だったとは正当化するのは難しいだろう。少なくとも、コスタが18分かけてできなかった役割-得点-を、フル出場すらせずに果たしたのだから。

 相手がオーストラリアだったと言い訳はきかない。そんなことを言えば、世界ランキング1位のスペインにとってはどの対戦相手も格下だったはずなのだから。

 スペイン代表が最後の試合を終えた後、殆どメディア対応を行なわずに選手バスに乗り込んだこと、試合が終わってすぐにスペインへ帰国した代表を空港で多くのファンが待っていたにもかかわらず、通常ゲートを通らずに、顔を見せず裏から逃げるように帰ってしまったことなども非難の的になっているのは言うまでもない。

 サポーターが敗退して戻ってきた代表選手のために、「いつでもラ・ロハ(スペイン代表の愛称)と共に」と書いた横断幕を持って待っていたにも関わらず、スペインサッカー協会は、そしてスペイン代表はそんなサポーターの思いを踏みにじる行動に出たのだ。

「代表が与えた最後の失望」などと、国内メディアは報じ、最後までサポーターの期待に応えることなく、スペイン代表のW杯は幕を閉じたのだった。

 そんなサポーターを相手にAS紙が行なったアンケートでは、カシージャス、レイナ、フアンフラン、チャビ、アロンソ、トーレス、ビジャの8人は代表を引退すべきだと答えている。

 また、デル・ボスケ監督は辞任すべきとの解答も6割以上を占めているが、サッカー協会は次のユーロまでデル・ボスケ続投を考えているようだ。

 昨年のコンフェデレーション杯から今回のW杯まで結局、改革のメスを入れることができなかったデル・ボスケ監督が2年後のユーロまでに周囲が期待するスペイン代表を再編できるのだろうか。今回の3試合で浮き彫りになったスペイン代表が抱える課題は大きい。

【了】

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