決勝は2局の同時生中継。イングランドにとって今夏の一大イベント
大会中はテレビも庶民の「サッカー熱」を煽る。中継局はBBCとITV。老舗の意地もある前者は、ラジオとオンライン配信も含めて前回大会から5割増しの160時間超を大会報道に割くという。
BBCではガリー・リネカーのスタジオ司会が定番だが、今大会ではリオ・ファーディナンドとフィル・ネビルが解説者デビュー。ファーディナンドは「上々」と巷で好評だが、ネビルは「邪魔」とまで言われる有様。あまりの不評が逆に話題を集めている。
7月13日の決勝は2局の同時生中継。BBCでは、解説界の重鎮アラン・ハンセンが22年間に及ぶ第2のキャリアに終止符を打つ。リバプールの元CBによる鋭い指摘も聞き納めだ。
一方のITVでは、スタジオ解説陣の中からロイ・キーンとパトリック・ビエラが起用されれば面白い。マンUを牽引したキーンとアーセナルを統率したビエラは、問答無用で中盤を支配した現役時代さながらに単刀直入な解説が評判だ。
辛口の両元MFに限らず、今大会ではブラジルの試合内容に「期待外れ」の声が多い。但し、準決勝の相手はドイツ。イングランド国民の大半は、自宅のテレビやパブのスクリーンの前で、欧州最大の宿敵と対戦するブラジルに声援を送るはずだ。
4年前のブラジル代表にプレミア所属選手は1名。しかも出番なしの控えGKエウレリョ・ゴメス。ところが今大会では、開幕前にチェルシーからPSGへの移籍が決まったダビド・ルイスを除いても5名がプレミア上位勢の選手。
代表は早々に敗退していても、イングランドにとってのW杯は今夏の一大イベントであり続ける。
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