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W杯ベスト4にプレミア選手19人。母国が敗退も観戦意欲残るイングランド。贔屓クラブの選手がプレーする「気になる異国代表」

グループリーグ敗退したイングランド。プレミアリーグにおける国産選手が嘆かれるが、その外国人選手の多さからW杯観戦への意欲は続いている。ベスト4に残ったブラジル、ドイツ、オランダ、アルゼンチンの全てにプレミア所属の選手がいるのだ。

text by 山中忍 photo by Getty Images

外国人選手が約7割「イングランドが抱える深刻なハンディ」

W杯ベスト4にプレミア選手19人。母国が敗退も観戦意欲残るイングランド。贔屓クラブの選手がプレーする「気になる異国代表」
ドイツ代表のヨアヒム・レーブ監督もプレミアリーグの実情が「イングランドが抱える深刻なハンディ」だと指摘【写真:Getty Images】

 イングランド代表が国際大会を去った後、母国リーグにおける国産選手の少なさが嘆かれる国内事情は今やお馴染みだ。グループステージで敗退した今夏のW杯が例外であるはずもない。

 今回はドイツのヨアヒム・レーブ代表監督からも、外国人選手が約7割を占めるプレミアリーグの実情が「イングランドが抱える深刻なハンディ」だと指摘された。

 しかし、その外国人選手の多さが母国代表敗退後も「W杯観戦意欲」をそそるのだから皮肉なもの。イングランドの人々にとって、決勝トーナメントに進出した16カ国には、贔屓のクラブに所属する選手がプレーする「気になる異国代表」が多いのだ。

 さすがに、「フィーバー」と呼べるレベルではなくなっている。国内で「W杯熱」が最高潮に達したのはグルーステージ第2節ウルグアイ戦。国内の視聴者数は1790万人とも言われる。

 2年前、ロンドン五輪の男子100メートル決勝でさえ1700万人だったのだから立派な数字だ。それが、既に母国敗退が決まっていた第3節コスタリカ戦ではピーク時でも約950万人に留まった。

 街中のスーパーからは、アルコール類やBBQ用品売り場付近に特設されていた、ジョッキや紙コップなどの代表グッズコーナーが消えた。店頭の旗をイングランドの「セント・ジョージ」から英国の「ユイオン・ジャック」に変えるパブも現れた。

 ほぼ時を同じくして、スコットランド人のアンディ・マレーにタイトル防衛が期待された、テニスのウィンブルドン大会が開幕したからだ(マレーは準々決勝敗退)。

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