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アジア 10年前

豪州で戦う2人の侍。“日の出づる国”マケドニアにルーツを持つクラブで出会った選手とコーチ。ほとばしるような情熱を共有

text by 植松久隆 photo by Yasuhiro Koga

それぞれの立場で祖国を背負う「日本代表」

 現役選手の村山は、4季に渡るコンスタントな活躍で、NSWPLを代表する日本人選手としての揺るぎない地位を確立している。もちろん、そんな彼が常に視界に入れているのが豪州最高峰のAリーグ。

 質の高い選手のAリーグへの供給先として認識されるNSWPLでの活躍が正当に評価されれば、10年にシドニーFC入団を決めた森安洋文(現・FC岐阜)以来となる“現地昇級”も夢では無い。

「豪州での経験があったからこそ今がある」と日本に戻ってから胸を張って言える1年を送ろうとチャレンジを続ける古賀には、ビザの都合もあって無駄にできる時間は無い。常に、全力投球で子供達に相対しての異国でのコーチング修行という得難い経験を積みながら学ぶ毎日だ。

 同じクラブに所属しながら立場は大きく異なる2人だが、サッカーへのほとばしるような情熱を共有しつつ、それぞれの舞台で着実な成長を重ねている。

 彼らの身近にいる人々は、そんな彼らの頑張りを通して「日本」、そして「日本人」を知る。その意味では、彼らはそれぞれの立場で祖国を背負う「日本代表」と言っても差し支えあるまい。

 奇しくも、祖国日本と同じ太陽の意匠の旗を持つマセドニアをルーツに持つクラブで出会った“日の出づる国”からやってきた2人の侍。そんな彼らの上昇志向が紡ぎ出すストーリーをこれからも見守っていきたい。

【了】

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