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Jリーグ 10年前

調子を上げてきた柏と4戦勝ちなしの横浜FM。対照的な両者の対決の行方は

text by 青木務 photo by Getty Images

5戦ぶりの勝利を狙う横浜FM

 横浜F・マリノスはなかなか結果を出せずにいる。

 J1再開後の初戦、サンフレッチェ広島戦では劇的な勝利を収めた。1点ビハインドで迎えた後半45分に齋藤学が決めると、アディショナルタイムには伊藤翔がネットを揺らして最後の最後で逆転。試合内容自体は良くなかったが、価値のある勝利を掴んだ。

 しかしその後が続かず、3試合連続で引き分けてしまう。そのうちの2試合で相手に先制点を許すなど、追いかける展開を強いられている。また15節のセレッソ大阪戦と17節の名古屋グランパス戦は試合終盤に追いつかれるなど、勝ち切れない印象も強い。

 そして前節はガンバ大阪に完封負け。広島戦のように良くない中で勝点3を奪える試合がある一方で、いい展開があったガンバ戦では敗れた。リーグ優勝目前まで迫った昨シーズンに見せた安定感は弱まっている。

 主力選手の高齢化が話題になることもあるが、ベテランが複数いることはチームにとっては心強くもある。特に中村俊輔や中澤佑二のような経験豊富な選手たちから得るものは多いはず。今の状態から脱するにはベテランの力も重要になってくる。試合の流れを読み取り、大事な局面で力を出せる能力は、チームの調子の上がらない今こそ発揮すべきだろう。

 もちろん年長者にとって夏場の試合は体力的にも辛く、若手の躍動も不可欠だ。チームのエースに成長した齋藤学は、再開後2試合連続で得点を挙げるなど気を吐いた。だがその後は得点がない。ゴールに直結するドリブル突破は相手にとっても怖い存在だ。果敢な仕掛けと4試合ぶりの得点を期待したい。

【了】

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