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Jリーグ 10年前

マリノスまたも勝てず、試合後にはブーイングも。光明は新加入のラフィーニャ

text by 青木務 photo by Kenzaburo Matsuoka

今後に向けて鍵を握りそうなラフィーニャ

 柏の鈴木が「2点取られて苦しい状況でしたけど、2-1になって楽になった。いい時間帯に点を取れた」と言えば、マリノスの三門も試合後、「後半もペースを握りたかったが、前半の1失点がプレッシャーになってしまったかもしれない」と話した。

 セットプレーでの2失点はマリノスにとって痛恨だった。

「勝てた試合を引き分けに持っていかれた。相手のボールも良かったけど、今のうちには高さが足りない。いいムードだっただけにかなり痛いし、相手に息を吹き返させてしまった」

 DF栗原勇蔵はそう言って肩を落とした。栗原曰く「ここでは言えない」というセットプレーにおける弱点もあるようで、「そこは向こうにスカウティングされたと思う」とも言う。

 マリノスとしては勝点2を落とした試合であり、ダメージは決して小さくない。しかし、攻撃においては光明が見えたのも事実だ。

 特に初先発となったラフィーニャがチームにフィットしており、先制点についてブラジル人ストライカーはこう振り返った。

「すごく綺麗なゴールだった。俊輔と兵藤が絡んだ中で、幸い自分が決められた」

 そして2点目は、ラフィーニャがスルーしたところに齋藤がいち早く反応して生まれた。齋藤はこのプレーを予想していたという。

「スルーするかなというイメージがあった。その分相手より一歩早くボールに触れた。シュートもイメージ通りで、キーパーのタイミングをずらすことだけを意識して打った」

 この日の齋藤は前を向いてよく仕掛けていた。「前を向いてプレーができるとチャンスになる。そういうシーンが増えるのは最近なかった。勢いをつける意味でも大事」と語る。

 大黒柱の中村が「ラフィーニャが入って違う光が見えた」と評したように、この背番号18はマリノスが今後浮上していく上でのキープレーヤーとなりそうだ。

【了】

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