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業界一の問題児、本人は年俸半減だが――。デメリットありながらリヴァプールとバロテッリが移籍に合意した理由

スアレスを失ったリヴァプールがFWの補強としてバロテッリを獲得した。能力は疑いようがない選手だが、業界一の問題児。また、本人の年俸は半減と言われている。リヴァプールが決断に至った理由、そして移籍を本人が承諾した理由とは?

text by 山中忍 photo by Getty Images

ほかにも多くの候補者がいたFWの補強

業界一の問題児、本人は年俸半減だが――。デメリットありながらリバプールとバロテッリが移籍に合意した理由
8月25日に実現した、マリオ・バロテッリのリヴァプール移籍【写真:Getty Images】

 8月25日に実現した、マリオ・バロテッリのリヴァプール移籍。ブレンダン・ロジャーズ監督が「獲得はあり得ない」と断言したのは、僅か3週間前のことだった。しかし、一見すると「まさか」の移籍も「1600万ポンド(約27億円)」の一言で説明がつく。

 ストライカーの必要性は、ルイス・スアレスのバルセロナ移籍が現実味を帯び始めた6月末から明らかだった。5シーズンぶりのCL出場が叶った今季、リヴァプールは、欧州最高レベルの戦いに伴う心身両面の疲労を抱えながらトップ4維持に挑む。

 FW陣の欠員が昨季のプレミアリーグ得点王でなくとも、2名体制は非現実的だ。そもそも、その1人であるリッキー・ランバートは、スアレスとダニエル・スタリッジに次ぐ序列3番手として6月に獲得されたはずだった。

 実際、リヴァプールは7月半ばのスアレス離脱決定を待たずに「FW補填」に動いた。だが、アレクシス・サンチェスにはアーセナルを選ばれた。QPRとのロイク・レミー獲得商談はメディカル・チェックで破談。

 ラダメル・ファルカオ(モナコ)、エディンソン・カバーニ(PSG)、カリム・ベンゼマ(R・マドリー)の可能性は、年俸を含む獲得費用の規模や当人の意思といった理由から、ほどなくして消滅した。

 即戦力としての補強には、その選手が誰であっても多かれ少なかれリスクが伴う。候補者「6番手」ともなれば、期待を裏切られても被害が少ない「費用対効果」を意識するのは当然。そこで、バロテッリの「1600万ポンド」である。

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