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「無のスタイル」でゴールを奪う岡崎。監督交代で試行錯誤のチームの中、確実に結果を出す

text by 本田千尋 photo by Getty Images

今季のテーマは「無」。無心でボールを追いかける

 後半に入って、岡崎が少し下がってボールを受け始めると、マインツにも徐々にチャンスが生まれてくる。

 48分、岡崎がペナルティエリア手前でボールを受けて、直接FKを獲得する。61分、相手の4バックの手前に降りてボールを受け、モリッツとのコンビネーションから右サイドを突破してクロスを上げる。

 その後も岡崎が中盤で起点となることで、マインツは攻撃を仕掛けていったが、結局ハノーファーを崩し切ることは出来なかった。0-0のドローで、マインツはリーグ戦の今季初勝利とはならなかった。

 マインツは前半に比べて、岡崎が受け始めた後半のほうがチャンスは生まれたが、チーム戦術としてボールを受けてチャンスを作ることと、自分でシュートまで持っていくことでは、岡崎の中では優先順位は後者なのだという。

「優先順位はやっぱりゴールですね。自分の中では。自分でシュートまで持っていけなかったら、チャンスメイクをしなきゃ行けないし」

 マインツの攻撃をリードするのが2季目の岡崎であることは、今や誰もが認めるところである。

「…今はあまり色々考えずに、そのときそのときで、自分の判断で思ったことをやっていこうっていう感じです。今季は「無」でやっていこうって思っています。まあ、「無」って言ってもテーマはあるんですけど。

 起点になるとか、ゴールを決めるとか。その二つは、やっぱりFWとして絶対出来なきゃ行けないことなので、そのテーマはありますけど、試合になったら無心でボールを追いかけることが第一だし、それは今日の試合で基本的には出来ましたね。体がパーダーボルン戦よりは動けていたので」

 リーグ戦は始まったばかりだが、このまま勝ち星に恵まれないままズルズルと行くのは良くない。指揮官ヒュルマンドがなかなかチームを整備することが出来ないのであれば、マインツの行方の鍵を握るのは、岡崎の「無のスタイル」となりそうだ。

【了】

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