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連載コラム 10年前

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第11回 地域リーグに広がるJリーグ世代の裾野

シリーズ:元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 text by 西村卓朗 photo by VONDS市原

9月22日 On the pitch 関東リーグ2部第18節 対厚木マーカス戦(ホーム)

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第11回 地域リーグに広がるJリーグ世代の裾野
【写真:©VONDS市原】

 関東リーグ2部の最終節。昇格もすでに決め、バックアップメンバーも前節では試し、後は全国社会人大会に向けての準備という位置づけになっていた。

 中断期間中のトレーニングマッチでDFの斉藤が怪我していたこともあり、この試合ではボランチ秋葉をセンターバックに、古橋をボランチに添え、試合に臨んだ。

 立ち上がりからリズムがよく、17分に中盤からダイレクトパスがきれいに3つ繋がり村山が先制点をあげた。その後も終始良いプレーは続いたが、得点は奪えずに前半を終えた。
勝負の世界にはどこに魔物が棲むかわからない。

 特別気になることがあったわけではなかったが、この時期唯一嫌だったのは選手の怪我だけだった。前半から何度か遅れてのファウルなどには気をつけて欲しいという事をベンチから相手選手やレフリーにアピールしていた。

 Jリーグでやっていた選手時代からもレフリーとはコミュニケーションをとることを心掛けていたが、それがこの試合では仇となる。

 74分に判定に対しての必要以上の異議ととられ、退席を命じられてしまう。選手時代からも含め、一発での退場、退席は初めてのことだった。

 このことについては思う事はいろいろあるが、最終的には結果がすべて。自分にとっても、全国社会人大会を控えるチームにとってもよくない事態を自ら招いてしまった事は事実だった。

 試合はその後少し荒れる展開になったが、そのまま1-0で試合終了。勝ったものの、後味の悪い試合にしてしまったのは自分だった。勝負の世界というものは本当によくできていて、油断、隙を許してはくれない。すでに昇格も決め、次を考えすぎてしまっていたことが原因だったのかと今では思う。

 どんな時でも目の前のことに集中すること。勝負の世界ではそれが大事だと改めて痛感する出来事だった。

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