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日本代表 10年前

「やれることは証明できた」。アンカー起用にもプレーの幅広さを示した森重。「どこでも自分の役割を全うする」

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「新しい挑戦でしたけど、試合を通していろんな発見があった」

 細貝の話では、長谷部誠(フランクフルト)がいた3日の練習は細貝がアンカーで、森重は通常通りセンターバックを務めていたのだが、長谷部が負傷離脱したことで、試合前日の練習では細貝が右インサイドハーフに上がり、森重がアンカーに入ったという。

「ボランチでプレーしたのは東京で大熊(清=大宮前監督)監督の時にちょっとやった記憶があるくらいで、あとはないですね。それも2ボランチでアンカー自体、初めてに近かった。

 それでも守備の時は3ボランチみたいな形で真ん中を閉じるというのをまずは意識しました」と彼は意外な起用にも冷静さを失わずに対処した。

 ウルグアイはカバーニ(PSG)の1トップの後ろにロデイロ(コリンチャンス)ら4枚が2列目に並ぶ4-1-4-1に近い布陣を採ってきたが、それに対しても細貝、田中順也(スポルティング・リスボン)と協力しながら粘り強い守りを披露。

 攻撃になると吉田麻也(サウサンプトン)と坂井達弥(鳥栖)の間に下がって3枚に近い形でビルドアップに参加したり、中盤からワイドな展開を見せたりした。

 もともとボランチだった森重は確かに組み立てのボールを出すのがうまい。その長所がよく生かされていた。守備陣の一員として2失点はいただけないだろうが、「急造アンカー」としては合格点を与えられる出来だったといっていい。

「自分自身、新しい挑戦でしたけど、試合を通していろんな発見があったし、楽しんでやれた部分もあった。まだまだ経験値を上げないといけないと思った部分もありましたね。

 守備に関しては収穫があったし、いい形でできたんじゃないかと思います。基本的には2センターの前でスペースを消す、センターバックを助ける動きができたんじゃないかと思います。

 ただ、2失点のところは自分たちのミスから相手にプレゼントしてしまった。そこは自分ら次第で何とかなるところだと思う。ミスからの失点は減らさないといけないし、なくさないといけない。責任感を持ってやっていけばいいと思います。

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