“史上最大”の日本代表は誇り高く狡猾な“弱者のサッカー”を志向するのか?

2014年09月08日(月)11時39分配信

text by 大島和人 photo Getty Images
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“弱者”という立ち位置から

“史上最大”の日本代表は誇り高く狡猾な“弱者のサッカー”を志向するのか?
あらためて思ったのは、アギーレ監督のスタイルは“弱者のサッカー”なのではないかということだ【写真:Getty Images】

 確かにカタルシスのない、ストレスフルな90分だった。大胆な攻めに出て返り討ちに合う展開ならともかく、慎重な試合運びで自滅的に失点するという展開はどう考えても“楽しくない”。一方であの”謙虚さ”は、ザックジャパンが欠いていたものだった。粘り強く、タフに戦うという部分は、日本が世界で結果を出すためには不可欠な部分だろう。

 あらためて思ったのは、アギーレ監督のスタイルは“弱者のサッカー”なのではないかということだ。

 決して低レベル、消極的という意味ではない。W杯でコスタリカが見せたような、南米予選でウルグアイが見せるような、“誇り高く狡猾な弱者のサッカー”という意味である。相手にボールは持たれるし、奪う位置は低くなる。しかしそれを“臆病”とネガティブに受け止めてしまうのは違う。むしろ自分の足りなさを受け止める勇気を欠いていたのが、ブラジル大会の日本代表だった。“弱者のサッカー”という表現は使ったが、それはアグレッシブさを発揮する場所やプレーが違うということ。日本がドイツやアルゼンチンに勝とうとするなら、それは必ず必要になる発想だろう。

 今の日本では馴染みのないスタイルかもしれないし、導入には間違いなく大きな摩擦が起こるだろう。新指揮官のトライが最終的に成功するという保証もない。しかし日本サッカーが経験値を高め、前進するために必要な要素を、アギーレ監督が志向する”弱者のサッカー”は含んでいるのではないか。

【了】

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