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日本代表 10年前

韓国との力の差は歴然だった手倉森ジャパン。中盤の厚み、攻守の切り替えで後手。実戦経験の必要性を痛感

text by 河治良幸 photo by Getty Images

度重なるピンチにも終盤まで耐えたことは収穫

 前半19分、遠藤から野津田にボールを付けたところをインターセプトされ、素早い展開から右サイドを突かれて、最後はキム・ヨングクにダイビングヘッドを打たれた。

 厳しいところに出したパスが奪われてしまった形だが、そこから展開されたサイドで矢島と秋野の対応が遅れ、クロス対応の得意なはずのCBコンビもずれてしまった。

 また前の選手が高い位置からプレスをかけようとしたところでロングボールを蹴られて、そのセカンドボールをことごとく拾われたこともリトリートを強いられた要因だ。

 パレスチナ戦では同様の場面でDFラインの上下動に中盤がしっかり付いていったが、韓国のそれに対しては瞬間的なギャップが生じてしまった。

 ただ、セカンドボールやカウンターを起点に何度かの大きなピンチがありながらもPKを与えた終盤までスコアレスで引っ張ったことは1つの評価ができる。

 もちろんキム・シンウクやユン・イロクを負傷で欠く韓国が前線の決め手を欠いたことも失点しなかった要因だが、ロングボールのセカンドボールから押し込まれたところでも、腰を引かずにタイトなブロックで守り続けた。

 韓国が優勢な割にSBの上がりを自制していたことや、ボランチが中盤にほぼ固定し、大半の場面でアタッキングの攻撃人数が4人に限定されたことにも助けられた。それでも日本が4バックと2人のボランチのところで穴を空けず、1対1の局面でかなり跳ね返せたことは大きかった。

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