「地味なところで後ろからサポートしてあげられたらいいな」

「ジャマイカとの関係を考えると、日本がボールを保持する時間は長くなると思います。ただ、それに対してのカウンターとか、相手がボールを奪ってからタテに来る力はあると思うので、そういうところに注意しながらやれればいいのかな」と細貝は自分なりの代表アンカー像を思い描いている様子だった。

　その役割を遂行する上で、真っ先に考えなければならないのが中盤3枚の連携だろう。

　今回、右インサイドハーフには柴崎岳（鹿島）、左インサイドハーフには香川真司（ドルトムント）が入る可能性が高いと見られるが、香川が入ったトライアングルは全く初めてのトライとなる。日頃から公私ともに親しい香川との共演は細貝にとって願ってもないこと。積極的に香川をサポートしていく構えだ。

「真司（のインサイドハーフ）はクラブでやっているポジションじゃないですし、クラブと違うポジションをやる選手っていうのは数多く出てくると思う。その中でどうにか自分のプレーを出せるように努力することが大事ですね。

　ドルトムントの真司を見ていると、やっぱり数多くボールを触りながらリズムを作っていく選手だし、できる限り彼が高い位置でより攻撃的にプレー出来るように、地味なところで後ろからサポートしてあげられたらいいなと。

　僕自身がクラブでやれている時のようなプレーができれば、彼をうまくサポートする1つの要素になるとは思います」とあくまで自分は黒子に徹して、エースナンバー10の創造性や決定力を前面に出せるような協力を惜しまないつもりだ。そうやって仲間の特徴を引き出すことが、細貝の真骨頂なのだ。

　ジャマイカ戦でうまく中盤が機能すれば、自信を持ってブラジル戦に挑むことができる。ザックジャパン時代に2度続けて完敗を喫したサッカー王国に一矢報いるために、細貝はドイツで磨いたボール奪取能力、粘り強く耐える守備を率先して見せていくつもりだ。