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香川真司 10年前

「あの一本にかけていた」。清武の一撃がドルトムントを沈める。香川は途中投入も抜本的改善ならず

text by 本田千尋 photo by Getty Images

香川、途中投入も抜本的な改善には至らず

 投入された香川は、パフォーマンスは悪くはなかったが、状況の抜本的な改善には繋がらなかった。しかしそれは香川の問題ではなく、やはりチーム全体の問題である。

 22日のガラタサライ戦に出場し、そもそも「90分間出て」いることが出来る状態になかった。香川が出る前にあったチャンスを、1度でも決めることが出来たかどうか。逆に言えば、1度でも決めることが出来ていれば、その後立て続けにゴールが生まれた可能性もあった。

 要するにドルトムントは、レヴァンドフスキが抜けて新加入選手とともにモデルチェンジを迫られ、また負傷離脱者がようやく戻って来たという不安定な状況の中で、CLと平行しながら、相手がこちらを研究し尽くして来るブンデスリーガを戦わなくてはならない、という非常に難しい状況にある。

 そしてドルトムントは自分達のスタイルを貫くだけでなく、相手に対する一層の「綿密な」研究も必要になって来そうだ。

「ドルトムントは強い」と清武が何度も口にしたように、ドルトムントも「相手は強い」と認めることから始める必要がある。ハノーファーに0-1で敗れて落ちた15位という順位は、そういう順位だ。

 当分の間、ドルトムントは横綱相撲を取ることが出来ない。

 そのことを明るみにした、清武の一撃だった。

【了】

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