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疑問の残るリーガ授賞式。王者アトレティコ無視の偏った選考基準。不愉快な女性タレント司会者の“ショウアップ”

text by 山本美智子 photo by Getty Images

アフリカ人選手の名前に顔を歪める司会者

 別表を見ればわかるとおり、全部で13の賞が7チームの選手に与えられているが、実際はこの中の3人が移籍しており、2人はレアル・マドリーへ、1人はバルサの選手となっている。

 それを知った上で、結果を再び考慮した時、ビッグチームに不要に恩恵が流れ込んでいるのでは、という疑問が自然とわくのは当然の帰結だろう。

 また、この授賞式は、民放によりライブで放送されたのだが、その授賞式も酷かった。プレゼンターを務める女性はアナウンサーですらなく、ここ数年人気があるリアリティショウで出て来た女性タレント。

 もちろん、知識などあるはずもなく、事前に勉強するという気もなかったのだろう。ひたすら、番組を面白おかしく盛り上げるために頑張っており、最優秀アフリカ人選手の名前を読み上げた時も、「ヤシネ・ブラヒミ?」と疑問符をつけたくなる調子で読み上げ、『何この名前、変なの!』と言わんばかりにおおげさに顔を歪めた表情で伝え、視聴者に同感を求めんばかりだった。

 当のブラヒミは、気にかけることもなく壇上で支えてくれた家族や周囲への感謝、娘への愛、アフリカ大陸の全員へそれを捧げるといった趣旨のスピーチを淡々とこなしていたが、この“ショウアップ”を不愉快に感じたのは私一人ではないだろう。

 授賞式という1年間の選手の努力を表彰する場で、プレゼンターが受賞選手の名前をジョークにするという低レベルには、幻滅させられた。もっともプレゼンターより、放映権の名のもと、それを許すスペインリーグ側に問題があるのだろう。

【了】

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