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代表 9年前

出遅れた“世界王者”。弱小ジブラルタル相手にドイツ代表が全力で戦わなければならない理由

text by 本田千尋 photo by Getty Images

期待されるゴールラッシュ

 時を同じくして10日、ブラジルW杯でのドイツ代表を取り扱ったドキュメンタリー映画「Die Mannshaft」のプレミア試写会に参加したボアテングは、またこう述べている。

「そのW杯の感情は頭からとり去らなくてはならない。W杯は過ぎ去った。我々は十分に尊敬されたよ。今私にとっては、遅くとも一つの新しいシーズンが始まる」

 決してボアテングは映画「Die Mannshaft」を否定してはいない。ただ、今ドイツ代表は「欧州選手権予選の段階」にあるということだ。過去の栄光を否定する訳ではないが、浸っていることの出来る時間は限られている。時間は淀みなく流れていく。次の戦いは既に始まっていた。そしてジブラルタル代表戦が間近に迫っている。

 13日付のキッカー紙は、チーム・マネージャーのオリバー・ビアホフが「多くのゴール」を待ち望んでいる、と記している。ここまで欧州選手権予選でジブラルタル代表は3戦を終えて、対ポーランド代表戦で7失点、対アイルランド代表戦で同じく7失点、そして対グルジア代表戦で3失点の計17失点と、グループDで最下位に沈んでいる。よって当然のことながらドイツ代表のゴールラッシュでの勝利も期待されるところだ。

 13日付のドルトムントの地元紙ルール・ナッハリヒテンは「フットボールの小人に対するベスト・イレブン」と見出しを付けた。同紙は「指揮官レーブとチームはジブラルタルに対して多くの集中を必要とする」とする。

※編注:この場合の「小人」という表現は、強豪という意味合いで使用する「巨人」への対義語。現地での質感をストレートに伝えるためにそのままの表現を用いています。

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