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日本代表 9年前

6発大勝を呼んだ内田の“端っこ”での貢献。チャンス生むパス、高い位置からの守備で攻守に存在感を発揮

text by 河治良幸 photo by Getty Images

主導権を握るきっかけとなる切り替えの速さ

 随所に気のきいたプレーを見せる内田が最も真価を示したのは攻守の切り替わりの動きだ。

 遠藤保仁から出た縦パスを受けた本田圭佑が、前を向いてドリブルをしかけようとしたところでセンターバックとボランチに挟まれ、ボールを奪われた。その瞬間、高い位置を取っていた内田篤人が素早い切り替えで戻りながらサイドのパスコースを限定した。

 結果的に相手のスルーパスがミスに終わった場面について聞くと、内田は「どうしてもボールを取られた後のカウンターというのはブンデスもそうだし、W杯もユーロもそうですけど、取ってからのゴールはどのチームも狙っている」と語り、こう加えた。

「そこで潰せて自分たちのボールを取ればいいかなと思っていて、バルサとかバイエルンとか、ボールキープがうまいというよりも、ディフェンスする時間がすごく短いから。チームとしてボールを取る技術がすごい。そういうところを少しでも見習わなきゃいけない」

 ボールを失ったら奪い返す。当たり前の様で、それを成功させるのは簡単ではない。相手がカウンターを狙っている場面ならなおさらだが、だからこそ奪い返せれば大きなチャンスにつながり、試合の主導権を握るきっかけにもなる。

 ただ、それはサイドバックの内田1人でできるプレーではない。直接ボールを奪いにいくだけでなく、柔軟なポジショニングで相手のパスの選択肢を減らし、コースを消すことも重要な役割だ。

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