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日本代表 9年前

流れ変えたのは評価できるが――。浸透しない“アギーレ流”。豪州戦、布陣変更で見えた課題

text by 西部謙司 photo by Getty Images

なぜ35分も様子見だったのか?

 ただし、この程度の変更に35分間も要したのは遅すぎる。

 アギーレ監督は「相手のプレスが速くてパスをつなげなかった」と認めている一方で、「それは予測していた」と言い、「90分間は続かない」とも考えていたそうだ。つまり、オーストラリアのプレスが厳しい時間帯はリスクを冒さずにやり過ごし、勢いが落ち着いたところで流れを変えるつもりだったわけだ。

「日本がボールを持てなかったように見えるが、相手にも1回しかチャンスは与えていない」(アギーレ監督)

 では、それが35分間も続くと予測していたのだろうか。それが想定内だったとしても、35分間も手を打たずに放置していい理由にはならない。アギーレ監督は、オーストラリアではなく日本がボールを支配すると思っていたはずだ。

 日本がボールを握れば、フォーメーションをいじる必要はない。対応するべきは相手である。しかし、いくら待ってもオーストラリアが支配したままだったので、手を打たざるを得なかったのだ。

 采配自体は正しい。しかし、日本が4-1-2-3でボールを支配できていれば、フォーメーションを変える必要はなかった。なぜ日本はパスをつなげなかったのか。

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