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日本代表 9年前

アジア杯23人決定。ポジション別に見るアギーレの意図。大会連覇へ盤石な布陣に

text by 河治良幸 photo by Getty Images

細貝落選の要因は展開力の欠如か

 DFラインは左サイドバックの長友佑都が復帰。10月にアギーレ体制になって初招集された太田宏介も高い攻撃力と対人の強さなどをアピールしており、順当な選出と言える。

 ジャマイカ戦で初勝利に大きく貢献し、守備能力とフィードでハイレベルな資質を見せた塩谷司の選出にも驚きは無い。昌子源は11月の2試合で出番が無かったものの、対人能力と機動力の高さを買われており、合宿での意欲的な姿勢からも、主力に何かあった時に代役を務められると判断したのだろう。

 育成的な要素がゼロではないかもしれないが、戦力として考えての選出であることは間違いないだろう。

 中盤では細貝萌が11月の2試合に続けて外れ、田口泰士も選ばれなかった。細貝は守備に関してはプレスもカバーも申し分無いはずだが、アンカーに求められる資質の1つとして、展開力の部分で評価されなかった可能性はある。

 ジャマイカ戦では自分で左右に散らすというよりも、シンプルに周囲に捌いて展開を促すプレーを見せていた。

 アギーレ監督が最も重要なポジションの1つにあげるアンカーで、キャプテンも任される長谷部誠、オーストラリア戦で途中出場ながら、出色のパフォーマンスを見せた今野泰幸に現在の評価では及ばなかったということだろう。

 欧州など強い相手になるほど必要な存在とも思えるが、アジアの引いた相手を崩していく上で優先されなかったのはある意味で仕方ない部分もある。

 田口はインサイドハーフとアンカーの2ポジションでテストされたが、日本代表のボール回しにもすんなり対応する技術は間違いなくアピールできていた。ただ、ディフェンスで相手に中盤を通過させてしまう場面があり、チャンスでの飛び出しも少なかった。

 そうした部分で清武の方が期待されたと考えられるが、その能力には経験豊富な今野も驚いていたほどで、アジアカップ後には再びチャンスがあるはずだ。

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