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Jリーグ 9年前

フットボールチャンネルが選ぶ2014年ベスト30。日本一のGKへ―。大阪の雄が誇る“守護神”東口順昭(3位)

2014年、J1で印象に残った選手は誰だろうか。フットボールチャンネルでは植田路生(同サイト編集長)、チェーザレ・ポレンギ(同サイトマネージングエディター)、森哲也(フットボール批評編集長)、川口昌寿(フットボールサミット編集長)、ほか編集部による投票を実施し、ベスト30を選出した。3位はガンバ大阪の東口順昭が選ばれた。

text by 下薗昌記 photo by Getty Images

クラブ史上、最も堅い守備陣を支えた東口

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GK東口順昭【写真:Getty Images】

「MVPは東口」。リーグ戦で優勝を飾った直後の記者会見で、長谷川監督は迷わず言い切った。

 それもそのはずだ。歴史に残る猛追を見せた7月以降の戦いで、背番号1が見せたパフォーマンスはまさに「守護神」という肩書きに相応しいものだったのだから。

 もっとも、「日本一のGKになる」と決意して挑んだ今季序盤は、チームへのフィットが遅れ、凡ミスも見せた東口。徳島の地でチームメイトが歓喜にむせぶ中、見せた涙は「シーズン序盤はキツかった。そんなことを考えていたら涙が出た」。そんな背番号1は、移籍が間違いではなかったことを自らの両手で証明してみせる。

 コーチングやフィード、足下の技術などGKに求められる要素は多様だが、東口が最も自信を持つのは「自分の持ち味はシュートストップ」。一聴すると当たり前のように聞こえるこんな言葉の有り難みを、チームはリーグ戦終盤の戦いで噛み締めたはずだ。

 10得点以上の働きを見せた宇佐美の輝きや、キャプテンとしてチームを牽引した遠藤に勝るとも劣らない輝きを、守護神が見せたのは28節のホーム川崎戦である。1点という最少得点差のままもつれ込んだ試合終盤の80分、万博記念競技場に「神」が舞い降りた。

 完全に守備陣を崩され、ゴール前で小林がフリーでシュート。「やられたと思った」と指揮官が痛恨の同点弾を覚悟した瞬間、東口は左手1本でワンハンドセーブ。至近距離からの一撃を、弾くことなく、左手一本で抑えてみせたのだ。

 勝ち点3をゲットするのと、勝ち点1にとどまるのでは天国と地獄―。「長丁場のリーグ戦を勝つにはGKの安定感が不可欠」と東口の獲得意図を語っていた指揮官の思惑通り、夏場以降は終始安定したパフォーマンスを発揮。クラブ史上、最も堅い守備陣を最後尾から引き締め続けた。

 GKで勝つ―。大阪の雄に新たなゲームパターンが加わった2014年シーズンだった。

【了】

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