釈明したアギーレ氏だが…
2014年は日本代表にとって激動の一年だった。
6月にW杯で惨敗し、ザッケローニ監督が退任。新監督はメキシコ人のハビエル・アギーレ氏となった。4年後のロシアW杯で雪辱するためにどのようなチーム作りをするのか注目されていた矢先、指揮官に八百長疑惑が噴出した。
アギーレ氏と日本サッカー協会(JFA)はすぐさまこれを否定したが、事態は刻々と変化。昨年12月15日にはスペインの検察当局から告発された。これを受け、JFAは27日、緊急で記者会見を行い、アギーレ氏は釈明に追われた。
会見では終始、アギーレ氏は自身の潔白を主張。アジアカップやその後の指揮に影響はないことを断言した。また、その2日後には代表合宿の初日に選手たちに直接この疑惑について説明。選手たちもその説明に納得した様子で、一様に指揮官への信頼を感じさせる言葉を発した。
これで過熱した報道は一旦収まったかに見えるが、忘れてならないのは当地では何も収束しておらず、むしろ事態が進むのはこれからということだ。当たり前の話だが、当事者の発言をもって一件落着、としてはならない。
八百長はサッカーへの純然たる敵であり、絶対に許してはならないものだ。この先も我々メディアは報じていく義務がある。もちろん、アギーレ氏はまだ有罪ではないことを忘れてはならないが。
果たして今後、どのようなことが裁判および予備審問で問われることになるのか。整理してみていこう。
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