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就任2年目のモウリーニョ――。ブルーズの指揮官が描く青写真

2014年、ブルーズ(チェルシーの愛称)は大きな躍進を遂げた。昨季からの課題であった新たな得点源としてジエゴ・コスタを獲得し、ディディエ・ドログバも復帰。攻守の軸となる中盤にはネマニャ・マティッチやセスク・ファブレガスが加わった。そして年が明けた2015年、指揮官ジョゼ・モウリーニョはプレミア王座奪還に向け、すでに青写真を描いている。

text by 山中忍 photo by Getty Images

リーグ首位を走る”最強”チェルシー

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今シーズンから10番を背負うエデン・アザール【写真:Getty Images】

「タイトルを争うのではなく勝ち取りにいく」とは、ジョゼ・モウリーニョ監督の発言。指揮官がプレミアリーグ3位に終わった昨季末に意気込んだ通り、今季のチェルシーは開幕から首位の座を独占して前半戦を終えた。

 2位マンチェスター・シティとの差は19節終了時点で3ポイントだが、得点数「41」はシティと共にリーグ最多タイで、失点数「14」はリーグ最少。攻守に最も安定した最強チームとして、走るべくして首位を走ってきた。

 決め手は開幕前の補強成功。昨季の弱点だった得点力不足が解消された。新1トップのジエゴ・コスタはリーグ戦出場16試合で13得点を挙げ、新たな中枢として君臨するセスクは18試合出場13アシスト。両者の加入により、昨季はエデン・アザールの突破力に依存していたチームが、敵に引いて守られても辛抱強くゴールへの扉をこじ開けられるようになった。

 そのアザールは、チャンスメイクと得点の両面で肩の荷がおり、個人技がより一層冴えている。サウサンプトンが虎の子の1点を守ろうとした年内最後の一戦でも、相手DF3枚を手玉に取って敗戦を回避(1-1のドロー)。

 12月はリーグカップ、CLを含む8試合で3得点3アシストと、チームをけん引したと言える。膠着状態が続く試合ではオーナー席でつまらなそうな表情を浮かべるロマン・アブラモビッチも、今季は攻撃の主軸3人が計2ゴール1アシストを記録した8月のホーム開幕戦レスター戦(2-0)から笑顔で拍手を送る姿が目撃された。

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