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就任2年目のモウリーニョ――。ブルーズの指揮官が描く青写真

text by 山中忍 photo by Getty Images

チームMVPは守備で絶大な貢献を見せたマティッチ

 ただし、前半戦のチームMVPはダブルボランチの一角に定着しているネマニャ・マティッチだろう。守備力の面では、昨季も国内最強コンビと言われたジョン・テリーとガリー・ケイヒルの両CBや、10年来の守護神ペトル・チェフをベンチに追いやり続けるティボー・クルトワの存在も大きい。

 だが、モウリーニョ軍団の前提である堅守と新テーマのポゼッションの双方において、4バックの手前で危険の芽を速やかに摘み取り、奪ったボールを確実にキープして捌くマティッチの貢献度は絶大だ。恵まれた体格ながら機動力もあり、相棒のセスクが上がり気味でも広いエリアをカバーしてみせる。初黒星を喫した15節ニューカッスル戦(1-2)は、前半戦で唯一、マティッチが欠場した試合だった。

 したがって、今冬に補強があるとすれば、やはりボランチのバックアッパーになると思われる。ほぼ固定の先発メンバーには死角が見当たらず、リーグ優勝争いだけであれば既存戦力でも戦い抜けるだろうが、チェルシーにはCLと2つの国内カップ戦でもタイトル獲得の可能性が残されているのだ。

 チームからは近年ボランチに転向したフランク・ランパードが契約満了で開幕前に抜けていた。あろうことかシティの一員として今季前半を過ごした「ブルーズの英雄」には、ニューヨーク・シティからの短期レンタル移籍期間を今季末まで延長すべきだとの声が強まった。シティは、引き留めなかったチェルシーの過ちを繰り返してはならないとも言われている(編注:シティは大みそかにランパードとの契約を今季終了まで延長することを発表した)。

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