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英雄は伝説を締め括れるか。ジェラードがラストダービーで願う“最後の宿敵叩き”

text by 山中忍 photo by Getty Images

注目はリバプール攻撃陣

 今回も、アウェイではあるがリバプール優勢の展開が予想される。リーグ12位で試合を迎えるエバートンは、前節クリスタルパレス戦(1-0)で1カ月半ぶりに白星を記録している。1トップのロメル・ルカクは、1月の全6試合で3得点と調子を上げてもいる。

 だがリバプールは、順位こそ7位だが昨年12月半ばから負け知らずの状態で、1月のリーグ戦は3勝1分けの無敗。その上、前節ウェストハム戦(2-0)では、エースのダニエル・スタリッジが5カ月ぶりに戦線復帰を果たし、途中出場からゴールまで決めているのだ。

 その前節を含めて3バックで臨む試合が増えていたリバプールだが、システムにはこだわらないブレンダン・ロジャーズ監督は、今節では4-3-3を採用するかもしれない。4バックへの変更は、シェイマス・コールマンとレイトン・ベインズの両SBも積極的に責め上がるエバートン対策。

 敵のサイドアタッカーには、今冬の移籍市場最終日にトッテナムからのレンタル移籍で、アーロン・レノンという駒も加わっている。前線では、怪我が癒えたスタリッジ、好調なラヒーム・スターリングとフィリペ・コウチーニョの3名を同時に起用するための策だ。

 となるとジェラードは3センターの一角で先発することになるが、今季は、中盤の底で攻撃を組み立てる役割を任された昨季に比べると、システムの別によらず機を見て責め上がる自由を与えられている。エバートン守備陣は、最終ライン中央のジャギエルとボランチのガレス・バリーに機動力が乏しいこともあり、スピードのあるリバプールの3トップに相当な意識を割いてくるだろう。ジェラードが中盤から上がってチャンスに絡むことは十分に可能と見る。

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