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本田圭佑 9年前

もはや「大一番」ではないミラン対ユーベ。トップ下で10番、本田は“花形”も印象残せず

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

さらに広がった差。スコアに加えてスタッツでも下回る

 90分間のスタッツを見ると、支配率52.7%対47.3%、パス成功本数422本対362本、アタッキングサードでのパス本数139本対120本、クロス14本対10本、ドリブル本数8本対4本、空中戦勝利数13回対9回、チャンスメイク数8回対3回、シュート数20本対11本。

 左がユベントスのものだが、ミランは全ての面において下回っていた。もちろん、カウンターを基本としていた序盤のミランは支配率やパス本数で下回っていてもスコアでは勝っていることが多かったので、必ずしも下回ることが悪いわけではない。

 しかし、システムを4-4-2や4-2-3-1としてカウンターを捨て、リアクションからアクションを仕掛けるチームへとシフトした現在、スコアに加えてスタッツでも全て下回ることは完全敗北を意味する。

 テベスの先制点はオフサイドの疑惑もあり、ミランにとっては不運でもあったが、2点目のCKにつながるマルキージオのシュートシーンも3点目となるモラタのゴールを呼んだポグバのボールカットからのドリブルも力の差を大きく見せつけられた場面だった。

 逆に、ミランの得点チャンスはアントネッリがCKから決めた点のほか、強いて挙げるならば54分にパッツィーニが放ったシュートのみ。もちろん、これが決まっていれば2-2となっていたため、結果が変わっていた可能性もあるが、決め切れるか切れないかが今のミランとユベントスの差といえるだろう。

 昨年の9月20日、サン・シーロで対戦した頃から現在では、その差を縮めるどころか、さらに広げられてしまった印象だった。

 ユベントスが一時の低迷期から復活を遂げたように、ミランもこの先数年後に強さを取り戻す可能性も十分にある。しかし、そのためにはフロントを含めたクラブの全てを変える必要があるだろう。

 そうでなければ、今はまだ現地のファンはこの対戦に特別な感情を燃やしているが10年後、20年後にはユベントスファンたちが「格下との対戦の1つ」として受け止める時代が訪れていることになるかもしれない。

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