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日本代表 9年前

広島・ミキッチが語るハリルホジッチという監督「選手を名前で選ぶようなことはしない」

text by 竹島史雄 photo by Getty Images

ミキッチが語るアジアの戦い

「選手を名前で選ぶようなことはしない」――。広島・ミキッチが語るハリルホジッチという監督
日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

 ハリルホジッチ自身のポリバレント性を表す戦術選択の柔軟性について、J1とJ2の試合をVTR観戦し、選手のことを深く知り、趣味はサッカーの試合を見ることでないかと思うほど勉強熱心なミハエル・ミキッチの中でも衝撃的な試合を一つあげてくれた。

「2010年のヨーロッパリーグで、ディナモはスペインのビジャレアルを下した。(2010年にグループリーグのホームでディナモ・ザグレブはビジャレアルに2-0で勝利)あの試合、ハリルホジッチはビジャレアルを研究して守りを固めながら、鋭いカウンターを繰り出した」

 身振り手振りで示すカウンターの様は、ボウガンの矢が飛び出るような手振り、さながら3本の矢とでも言えようか。腕と手で示す飛び出しの、鋭く、直線的な動きは、その試合で見せたハリルホジッチ・ザグレブの攻撃にミカ自身が興奮を抑えきれなかったと十分に想像できた。

「多くの戦術的な引き出しを持っている。よく相手を分析する。名前で選手を選ばない」ハリルホジッチ・ジャパンが、新たな目で選ばれるなら、現有のサンフレッチェの選手、さらには遠いオーストラリアで戦う高萩、決して最前線でない西欧の海外選手にもサムライブルーのユニフォームに袖を通すチャンスが訪れるだろうか。

 そんな、ミカもアジアでの戦いは「移動距離がヨーロッパとは桁違いだ。中国、オーストラリアへの移動は時間も長いし疲労が伴う。さらに試合間隔も短いからリカバリーの時間がない。飛行機での移動1時間で1日のリカバリーが必要だ。8時間なら8日だ。」と長距離移動こそアジア特有の厳しさと答えた。

 アジアでの戦いに一番経験を有しているのはACL(アジアチャンピオンズリーグ)に出場のある選手だろう。アジアの国々を超えての移動、手続き、気候、食事、練習環境、俗にアウエーの言われるおもわぬハプニング…。アジアではそれがどういった場面で、どのような形態で起きるかは実際に戦った選手が当然知りうる。

 ハリルホジッチが、この声も聞き入れてくれるのなら、ACLでの長距離移動を経験した選手たちにもっと目を向けてもらうことはできないだろうか。

【了】

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