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1点差ゲーム、バルサ対マンCは本当に僅差だったのか? データから見える圧倒的なバルサの強さ

注目を集めたCLベスト16、バルセロナ対マンチェスター・シティ。1点差という僅差ではあったが、果たして内容でも僅差だったのだろうか。データで分析してみよう。

text by 植田路生

ファイナルサードのパス本数はあまり変わらず

1点差ゲーム、バルサ対マンCは本当に僅差だったのか? データから見える圧倒的なバルサの強さ
図1:バルセロナ対シティ試合基本データ

 現地18日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)、バルセロナ対マンチェスター・シティの一戦は1-0でバルサが勝利。初戦を1-2で落としたシティは逆転を狙ったものの叶わず、合計スコア1-3で敗退した。

 2ndレグは1点差、しかもアグエロのPK失敗もあり、大きな差はないように見える。ところが、データを分析すると内容的には僅差ではなかったことが分かる。欧州のビッグクラブのスカウトも使っているWyscoutのデータから見てみよう。

 図1は試合の基本データだ。UEFA公式データのボールポゼッション率ではバルサが58%だったこの試合、時間にすると約8分間、バルサはシティよりも多くボールを保持していた。

 パス本数ではバルサが551本のパスを試みたのに対し、シティのそれは380本。差があるように見えるが、グアルディオラ監督時代バルサは平均で約700本のパスを回していた。ホームでの試合ということを考えても、以前よりはずっと少ない。

 また、ファイナルサード(ピッチを縦に三分割した際の相手ゴールに近いエリア)でのパス本数は129対108とあまり変わらなかった。以前であれば、圧倒的にパスを回し、相手にボールを持たせないことがバルサの強さであったが、データでもはっきりと変化が見られる。

 スルーパスも多い。シティが8本だったのに対し、バルサは25本。つないで崩すというよりも、局面打開のためのパスが増えた。成功率は52%ということから、一発狙いの意図が増えたとも言えるだろう。

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