「日本人はパス一つひとつにこだわりがある分、コントロールがおろそかに」
――スペインに来て、環境が大きく変わったと思います。
「いろいろな人がサポートしてくれているので、そこまで困るようなことはないですが、練習の時間が遅い分、生活のリズムがまだつかめません。それと、大学時代は同級生4人でシェアハウスをしていたので、いつも家に帰ったら誰かいたのですが、そこが変わったくらいですかね」
――言葉やコミュニケーションの面はどうでしょうか。
「昨年1ヶ月間チームに入って、語学留学していたのと、移籍前に独学で勉強していました。チームメイトは私にわかりやすいように喋ってくれるので、訊かれたことには答えられますが、自分から何か要求することが難しいので、そこはまだ足りない部分です」
――ピッチ上で日本のサッカーとギャップを感じる場面はありますか。
「スペイン人に比べたら日本人の方が細かい技術や、パスへのこだわりを感じます。一方で、日本人はパス一つひとつにこだわりがある分、コントロールがおろそかになっているというか、スペイン人はパスが雑な分、コントロールが上手いですね。もう一つ、経験豊富なベテランが存在感を発揮する中で、若い選手も臆することなく一緒にプレーできているのは印象的でした」
――指導者のアプローチという面で日本とスペインに違いは感じますか。
「自分が所属していたチームが自主性を尊重するチームだったので、比べられるかわかりませんが、ラージョは練習中でも監督が一つ一つ細かく選手に要求していますね」
――スペインサッカーの中に飛び込んで、日本で学んできたことを生かせている実感はありますか。
「こちらに来てからそんなに経っていなくて、チームメイトがどんな動きをするかわからないし、おそらくチームメイトも自分のことをわかり切っているわけではないので、ちょっとずつ生かせるようになってきたかなという感じですね。大学ではいろいろなフォーメーションに挑戦して、そこから多くのものを得られました。それらをこれからどんどん生かしていきたいと思います」