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香川真司 9年前

香川に付けられた採点「2」。高評価につながったゴール、そしてトップ下としての機能性

text by 本田千尋 photo by Getty Images

EL出場のかすかな可能性を手繰り寄せた香川の活躍

 またドルトムントの選手全体を見渡しても「3」以上の高評価が付けられている。パーダーボルンを相手に快勝したドルトムントのサッカーを、ビルト日曜版は「速いコンビネーション、トリック、美しいフットボール、ゴール!」と評した。

 ビルト日曜版が「最初の45分間は忘れるべきだ」と記したように、前半こそドルトムントのパフォーマンスは停滞していたが、48分のムヒタリヤンのゴールを皮切りに、ぐいぐいと勢いを増していった。勢いを増したのには、もちろん香川がトップ下として十分に機能したところもある。

 後半開始直後には、カウンターから素早くオーバメヤンへパスを送り、またワンツーの起点となってムヒタリヤンのシュートを引き出した。ギュンドアンなどボランチからのボールもよく収まっていた。採点「2」には、このようにチームの攻撃を牽引したことも反映されているのだろう。

 また78分には、ダイアゴナルランでスペースを空けて、ドゥルムのシュートを引き出すのみに留まらず、クルーゼが弾いたところを詰めている。オフサイドの判定だったが、この幻のゴールも評価の対象となっているところもあるかもしれない。

 3-0でパーダーボルンに快勝したことで、ビルト日曜版は「ドルトムントは祝い、再び上方へ目を向ける。ヨーロッパに向かって」と記した。いずれにせよパーダーボルン戦の「2」の採点には、ヨーロッパリーグ出場の可能性をわずかに手繰り寄せたチームの中での、香川の活躍があったことは間違いないところである。

【了】

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