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本田圭佑 9年前

支配率≠試合の優劣を“教えた”ミラン。重要なのは敵陣でのプレー。解決策は「本田の中盤起用」

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

ロングレンジのパスで状況打開を目指した本田

 もちろん、モントリーボが不在のいま、中盤で使えそうなベンチ入り選手はムンタリとポーリのみ。ムンタリは離反問題もあるため使えず、ポーリもボナベントゥーラやファン・ヒンケルとさほど違いはない。打開策として、本田を中盤で起用するという選択肢は十分にアリだろう。

 そもそも、前半戦のような“左から仕掛けて右で仕留める”という形を捨て去った今、本来中盤の選手である本田が右ウイングを務める理由もメリットも何1つない。

 結局、右ウイングとして先発した本田は54分にいち早く交代。データサイト『Who Scored.com』のレーティングでは退場したメネズの5.8点に次ぐブービーとなる5.9点と低評価を下された。

 さらに、パス成功率では先発した中盤より前の選手中最低となる72%を記録している。しかし、失敗のパスとなった計6本中3本は同様に先発した中盤より前の選手では唯一となるサイドチェンジなどロングレンジのパスだった。

 他の選手が安パイを踏んで近くの選手にばかりパスを出している中で、本田だけはこの状況を打開しようとロングレンジのパスも織り交ぜていたということ。しかし、そういった考えを持ってプレーしているのが自分1人ではつながるものもつながらない。

 これは、相手よりもボールを多く保持しながら敵陣に持ち込めずにシュートチャンスを作ることもできないチームの現状に合致すること。

 再び中3日で迎えるナポリ戦からの残り5試合、この問題の解決策としてやはり本田を中盤に“戻す”という案は考慮されるべきだろう。

 世界一ハンサムな指揮官、インザーギがチームを率いるかは不透明だが…。

【了】

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