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バルセロナが手にした3-0。90分のハードワークが帰結した「パーフェクトな結果」

text by 本田千尋 photo by Getty Images

試合を象徴したネイマールの3点目

 対照的にバルセロナは、カウンターを中心に何度もバイエルンのゴールを脅かした。11分、テア・シュテーゲンからのロングフィードをメッシが反らして、スアレスが抜け出す。ノイアーが右足一本で防ぐ。

 14分、スアレスがラームから奪って、ボアテングを交わしてゴール前に折り返す。ネイマールが飛び込む。右に外れる。前半の早い時間帯でバルセロナが先制していても、何らおかしくはなかった。

 60分には自陣深くから流れるようなカウンター、63分にはエリア手前で奪い切ってのシュートカウンターと、後半に入ってもバルセロナの勢いは続いた。

 一方のバイエルンは、59分にはレバンドフスキ以外が全員自陣に戻ってディフェンスをして、74分には相手をゴール前に押し込んでエリア手前でパス交換をするなど、粘り強くゲームを進めていく。

 しかし77分のことだった。アウベスが相手陣内深くでラフィーニャから奪って、メッシへパスを送る。メッシは左足を振り抜いて、バルセロナが先制する。続いて80分には、ラキティッチからパスを受けたメッシが、ボアテングを交わして、柔らかいループで2点目を決めた。

 そして何よりこの試合のバルセロナを象徴するのが、後半のアディショナルタイムも終わろうとする頃にネイマールが挙げた3点目と言えるだろう。90分を過ぎてなお、バルセロナはハードワークを惜しまなかった。

 チャビ、ブスケツ、ラフィーニャらの中盤は、プレスを仕掛け続けた。全員で自陣に戻って守備をして、93分、最後のカウンターにネイマールが抜け出す。ノイアーとの1対1に、ワンフェイントを入れて、冷静にシュートを流し込んだ。

 バルセロナの指揮官エンリケは「パーフェクトな結果だった」と振り返る。3-0の「パーフェクトな結果」は、メッシという圧倒的な才能だけでなく、94分間を通して続いたバルセロナのハードワークが帰結したものだった。

【了】

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