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マンU移籍を決めた“夢追い人”。メンフィス・デパイを知る5つのキーワード

text by 舩木渉 photo by Getty Images

ブラジルW杯で大活躍。その名が世界に知れ渡る

3.ブラジルW杯

2013年10月のブラジルW杯予選トルコ戦、デパイは終了間際にイェレマン・レンスとの交代でピッチに送り出され、オランダ代表デビューを果たす。翌11月の日本戦にも69分にシーム・デ・ヨングとの交代で出場している。

 その後は親善試合に何度か出場したが、スタメン出場はほとんどなかった。それでもルイス・ファン・ハール監督はW杯本大会にデパイを連れていく決断をする。

 するとブラジルの地で才能が本格的に花開いた。途中出場がメインながら、クリスティアーノ・ロナウドを彷彿とさせる切れ味抜群の仕掛けと、猛獣のごとき積極性で2得点を記録。世界中に「オランダにデパイあり」という強烈な印象を植え付けた。

 W杯後も継続的に代表でプレーしており、近い将来絶対的主力として世界のトップクラスでプレーするポテンシャルを備えている。

4.PSV

デパイがPSVのトップチームで初めてリーグ戦に出場したのは、2012年2月26日に行われたフェイエノールトとの“デ・クラシケル”だった。終了間際の投入だったため、目立ったプレーを見せることはできなかった。

しかし、シーズンを終えてみると22番を背負った若武者は8試合、わずか130分の出場で3ゴールを挙げる活躍を見せて強烈なインパクトを残していた。

 2012-13シーズンは20試合出場(490分)2ゴールに終わったが、2013-14シーズンは32試合に出場して12ゴールを挙げ、確実に成長した姿を披露する。

 そして迎えた今季、W杯を経てさらなる進化を遂げた怪物は、リーグ戦2試合を残して21ゴールを奪い、得点ランキングトップに立っている。

 デパイの活躍もあり、今季のPSVは7シーズンぶりのリーグ制覇を成し遂げた。この2年間で相手の喉元に噛みつく牙の鋭さが増し、獰猛な獣のようにゴールを狙う姿は迫力を増している。

 21歳にしてPSVでの公式戦出場は120試合を超え、W杯出場も含めて一般的な若手選手を凌駕する経験を有している。さらに、大舞台を苦にしない強いハートも持ち合わせており、マンチェスター・ユナイテッドのようなビッグクラブでも物怖じすることはないだろう。

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