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Jリーグ 9年前

FC岐阜、低迷の根幹に迫る。クラブの正しいあり方とは?

text by ミカミカンタ photo by Getty Images

チーム強化の責任者は誰か?

FC岐阜、低迷の根幹に迫る。ラモス監督が発した“知事”という言葉の重み
ひとつ言えるのはチームもクラブも組織だということ【写真:Getty Images】

 ラモス監督が選手補強をリクエストするのはとてもよくわかる。今シーズンのチームにかけている予算と今の成績を突き合せれば監督としての評価は自ずと決まってくるからだ。

 古田知事を交えた藤澤オーナーとの会食の場でラモス監督が補強をリクエストしたのかどうか私は知らない。だから今の成績について「絶対大丈夫、解決できる」と言ったラモス監督の言葉の根拠がどこにあるのかもわからない。

 だが、ひとつ言えるのはチームもクラブも組織だということだ。選手補強のリクエストをするならその相手は強化責任者であるチーム統括部長の高本詞史(のりふみ)氏であるはずだ。

 ましてやクラブの責任者である社長を通り越して、チームの補強・編成に知事が絡むなどということがあってはならない。岐阜のことではなく、一般論としてそれはまったくのお門違いだ。

 クラブには違う個性を持った人間が集まり、それぞれの人間が自分の役割を全うすることで組織としての理念・目標に向かって一丸となって全力で向かっていく。そのために役割・役職があるのであり、そこをないがしろにすれば組織としての形態は意味をなさなくなってしまうし、自分の責任を他の者に押し付け合うことにもなってしまう。

 チームのボスは監督だが、クラブのボスは社長である。その両者はそれぞれに重い責任を持つ。権限はその責任があるからこそ生まれるものだろう。岐阜の場合はその上にオーナーがいるのだが、藤澤オーナーは恩田氏を信任してクラブの社長に任命している。また、地域密着を旗印にしているJクラブとしてはホームタウン住民からの信任という意味合いもあるだろう。

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