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チーム力の差は外国人? T・セレーゾ監督が分析するJリーグの現状

text by 編集部 photo by Getty Images

チーム力の差は外国人? T・セレーゾ監督が分析するJリーグの現状
トニーニョ・セレーゾ監督【写真:Getty Images】

 明治安田生命J1リーグの1stステージ第16節が20日に行われ、鹿島アントラーズはアウェイで横浜F・マリノスに3-0の快勝を収めた。

 同じ時間にキックオフした試合で浦和レッズの1stステージ優勝が決定した。鹿島のトニーニョ・セレーゾ監督はライバルに対し「まず(浦和に)おめでとうと言いたい。勝ち点を見れば、それだけの実力があっての結果だと思う」と、16戦無敗での優勝を称えた。

 しかし、「我々に力がないというわけでなく、いくつかの条件が変わっていった中で上手くいかなかった部分がある」と述べ、Jリーグが実力の均衡したクラブ同士の戦いである理由を説明した。

 トニーニョ・セレーゾ監督は「ただ『したい』、『できます』という簡単なリーグではない。対戦相手にも今日のように質の高い選手が多くおり、その中で勝ち抜いていかなければならない」とし、そのうえで勝利を重ねるために「チームの伝統」が必要になると強調する。その理由はいかなるものだろうか。

 日本での指揮は9シーズン目となる元ブラジル代表の指揮官は、各チームの選手層の薄さが実力の差を小さくする要因だと語る。鹿島を例に挙げ、若い選手数人は「体格や体力、技術、あるいは駆け引きの部分」が足りず、J1でプレーする準備ができていないと指摘した。それらを磨くにはやはり長い時間が必要のようだ。

 そうなると起用できる選手は限られてくる。トニーニョ・セレーゾ監督も「累積警告や怪我で抜けてしまうと、とんでもない状況になってしまう」と嘆く。

 一方で「違いがあるとしたら外国人選手の部分」と、Jリーグの特徴を分析した。鹿島には伝統的に優秀な外国人が在籍してきた。ジーコに始まり、レオナルドやジョルジーニョ、アルシンド、最近ではマルキーニョスやダニーロ、ダヴィといった選手が上げられるだろう。

 だが、こういった状況を「悲観しないでほしい」と繰り返す。「大半のチームがそういった状況で、それが現状である」とし、「いかにしてバックアップの選手を早く作り上げるのかが非常に重要になってくるし、使える外国人枠をしっかり活用しなければならない」とJリーグでの効果的な戦い方を説いた。

【了】

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