マンチェスター・ユナイテッドvsトッテナム
開幕戦の中では、最も注目となるカードだろう。昨季4位でプレミアリーグを終えたユナイテッドにとっては、3年ぶりに優勝を狙う戦いが始まる。
ユナイテッドはこの夏にバスティアン・シュバインシュタイガー、マッテオ・ダルミアン、モルガン・シュナイデルラン、メンフィス・デパイの獲得におよそ7500万ポンド(約142億円)もの資金を投下した。ラダメル・ファルカオとアンヘル・ディ・マリアはチームを去ったが、1億4500万ポンド(約260億円)を費やした昨夏のチームに磨きがかかっている。
昨季はフォーメーションが定まらず、4-2-3-1や4-4-2、3-5-2といった布陣を採用していたルイス・ファン・ハール監督だが、インターナショナルチャンピオンズカップ(ICC)では一貫してデパイをトップ下に置く4-2-3-1を敷いている。
大型補強を続けているが、いまだセンターフォワードは獲得できていない。1トップでレギュラーを務める主将ウェイン・ルーニーのクオリティに疑いはないが、チャンピオンズリーグ(CL)やカップ戦が続くことを考えると、若手のアンドレアス・ペレイラやファン・ハール監督の構想外であるハビエル・エルナンデスに期待を寄せるのは難しい。
レアル・マドリー移籍の噂が絶えないGKダビド・デ・ヘアの去就や、センターフォワードと同じく補強が急務とされていた代表クラスのセンターバックの獲得もなく、長いシーズンを乗り切るにはこの夏、遅くとも冬の移籍で層を厚くする必要に迫られるかもしれない。
一方のトッテナムは、ユナイテッドが狙っていると報道されたハリー・ケインが“今のところは”残留。しかし、バックアッパーを務めるエマニュエル・アデバヨールとロベルト・ソルダードの去就が不透明とあれば、ユナイテッドのルーニーと同じく22歳のストライカーにかかる負担も大きくなる。
ボランチではパウリーニョ(広州恒大)、パンジャマン・スタンブリ(パリ・サンジェルマン・PSG)が抜けたが、成長著しいライアン・メイソンやナビル・ベンタレブでカバーできる。アトレティコ・マドリーから獲得したトビー・アルデルワイレルドは、DFラインに安定感をもたらす存在になるだろう。